小児皮膚科とは
小児皮膚科では、小児特有の皮膚症状を幅広く診療します。乳児・小児の皮膚疾患のことでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
乳児の皮膚はスベスベして潤いがあるのですが、とても薄く、とてもデリケートです。すぐに、外界のいろんな刺激に反応してしまいます。刺激に反応しやすい場合は乾燥肌体質があるかもしれません。トラブルがしばしば起こってしまう場合は、日頃のスキンケアについて丁寧に指導します。
小児によくみられる皮膚疾患
- 乳児脂漏性皮膚炎
- じんま疹
- あせも
- とびひ(伝染性膿痂疹)
- イボ
- 水イボ
- 小児アトピー性皮膚炎
- おむつかぶれ
- 手足口病
- りんご病
- など
乳児脂漏性皮膚炎
生後1ヶ月ごろから出現します。顔や頭に黄色いかさぶたのような、もしくは白いフケのようなものが付着し、全体にやや赤くなります。赤いプツプツした発疹、黄色いプツプツした発疹も出現します。首より下に拡がることはあまりありません。
顔や頭は皮脂の分泌が多い部位で、その皮脂の分泌は生後4~6ヶ月に1度目のピークを迎えます。これは日本人だけでなく世界中の赤ちゃんに共通です。この皮脂を好物にしている皮膚の常在菌(マラセチア菌)が繁殖することで皮膚炎が生じてしまいます。
治療は、石けんを使って洗う、というのが基本になります。洗うのが基本ですが、擦るように洗ったり、強い石けんで洗ったり、1日に何回も洗ったりするのは、皮膚自体にダメージが及ぶのでNGです。優しく、少しずつ良くしていく、という気持ちで洗います。6ヶ月を過ぎると症状は自然に良くなっていきます。それまでの間、ひどい場合はステロイド薬や抗菌薬を外用します。
イボ
手足に直径3㎜~1㎝くらいのしこりが出現し、次第に増えていきます。大きくなって数cmになってしまうことも少なくありません。花が咲いたよう、キャベツみたい、透明感のある、など、見え方にはいろんなタイプがあります。正式には尋常性疣贅と言いますが、一般的には「イボ」、「ウィルス性のイボ」と呼ばれています。
原因となるのは、ヒトパピローマウイルスです。このウイルスが皮膚や粘膜の細胞に入り込んで、ウィルスに感染した細胞がどんどん増殖するとイボになります。ウィルスは私達の目には見えません。不用意に触れると、体のいろんな部位にウィルスがまき散らされてしまいます。そして、運悪く皮膚の細胞に入ってしまうとそこでまたイボができてしまいます(接触感染)。イボが出来たときは患部をむやみに触らないよう注意が必要です。自身の皮膚で増えるだけでなく、接触した人にも伝染してしまうこともあります。
治療は液体窒素を用いた冷凍凝固療法が一般的です。-196℃の液体窒素で患部を凍らせ、かさぶたになって剥がれるのを待ちます。1回の治療では完全に治らないので、2週間ごとに通院してもらっています。当初は痛みを伴い、軽い火傷の様な反応が起こります。痛みがない治療法としては漢方薬(ヨクイニン)の内服や、外用薬を用いることもあります。いずれにしても長い期間を要するので、根気が必要です。
水イボ
イボと同じくウィルスによる病気です。原因ウィルスはイボとは異なります。直径1~3㎜の光沢のあるポツッとしたものが多発します。幼児から小学校低学年の児童に発症することが多く、乾燥肌体質のお子さんには特によくみられます。接触感染で増えていきますので、腕と胸、左右の太もも、など擦れてしまう部分では一気に増えることもしばしばあります。痒みを伴うこともありますが、イボと同様、触らないようにすることが大切です。自身の皮膚で増えるだけでなく、接触した人にも伝染してしまいます。
プールで伝染することを心配される方も多いようですが、プールの水を介して伝染することはありません。患部が直接触れないようにしたり、タオル・ビート板などを共有しないようにしたり、といった注意は必要です。お風呂も同様で、兄弟姉妹と一緒にお風呂に入ると患部が接触するため、伝染する確率がかなり上がってしまいます。
治療は、水イボ専用のピンセットで1つずつ摘除します。痛いので麻酔のテープ(表面麻酔)を1時間半ほど貼ってから摘除します。放置しても自然に免疫が出来て治癒するため、治療を行わない方も多くいるようです。スイミングスクールや、幼稚園によっては水イボが治るまでプールには入れないことがあり、そういう場合は摘除をお勧めしますが、実際は、お父さん、お母さんと相談して対応を決めていきます。
そのほかに割合は少ないですが、液体窒素を用いた冷凍凝固療法や銀配合クリーム(保険適応外)なども取り入れております。
小児乾燥型湿疹・アトピー性皮膚炎
小児期の乾燥肌体質のお子さんにみられる、乾燥症状から始まる湿疹です。鳥肌のような、白いプツプツがある、特有の「アトピー肌(アトピー性乾燥肌)」が広範囲にみられます。これに加えて、首や、肘・膝といった関節の曲がる側、手首などに湿疹が出現します。アトピー肌だけで湿疹が出ない合も、乾燥による痒みを伴うことが多く、通常は夏と冬に湿疹がひどくなります。高い確率でアトピー性皮膚炎に移行します。
乾燥肌が続くとバリア機能が弱ってしまい、環境中のさまざまな物質(ほこり、汗、など)から影響を受けてしまいます。乾燥肌だけでも痒いのですが、それらの影響で湿疹ができてしまうと何倍も痒くなります。痒みは我慢できないことが多く、掻き壊してしまうと湿疹がさらに悪化したり、ときにはとびひ(伝染性膿痂疹)まで併発してしまうこともあります。
治療、対策としては日々の保湿が重要になります。保湿剤を外用してしっとり肌をキープします。保湿を毎日しっかりしていればひどいアトピー性皮膚炎になるのを防げる、ということも言われています。また、体を洗うときにゴシゴシ洗わないようにしたり、石けんを使って洗うのは1週間のうち数日だけにしたり、といったお風呂での心がけも有用です。しっとり肌をキープしてくれる皮脂をお風呂で取り過ぎないようにする、という対策です。そして、ひどいところはステロイド薬を使用します。
お尻の湿疹(おむつかぶれ)
肛門の周り、お尻の割れ目(臀裂部)を中心に赤くなったり、ただれてしまったり、といった症状が出ます。見た目に「ヒリヒリして痛そう」な感じになります。周囲に赤いポツポツが多発してしまうこともあります。
便が軟らかかったり、下痢だったりすると、水分で皮膚はふやけてしまいます。同様に汗でも皮膚がふやけてしまいます。ふやけた皮膚と皮膚が擦れたり、ふやけた皮膚とおむつが擦れたり、さらには便を拭き取るときにふやけた皮膚をやや強い力で擦ってしまったり、といったことから、症状が出てしまうと考えられます。きれいに便を拭き取ろうとすると余計に悪化させてしまいます。
おむつの交換をやや頻繁にする、拭き取りは水を流しながら優しくする、といった対策を可能な範囲でやってもらいます。また、亜鉛入りの外用薬をおむつ交換の際にたっぷり厚塗りしてもらいます。周囲に赤いポツポツが多発した場合は、便の中のカンジダ菌による症状が考えられますので、抗真菌薬の外用も併用することになります。
顔の湿疹(よだれかぶれ)
乳児期では顔、特に頬や顎など、よだれが付いてしまう部位に赤い発疹、プツプツした発疹が出現します。痒みはあまりないのか、感じないのか、掻き壊しはないこともよくあります。
まず、よだれそのものによって皮膚があれてしまいます。これに加えて、よだれをタオルやティッシュなどで拭き取ると、この「拭き取る」という動作までも刺激になってしまい、さらに皮膚があれてしまいます。
治療は保湿です。とにかく保湿です。ワセリンなどをややベットリ塗って、皮膚にバリアを作ります。よだれは拭いても結構です。その代わり、軽く、優しく拭き取り、拭いたらその後は毎回、ワセリンを塗ってバリアを作るようにします。よだれが垂れなくなってきたら自然と軽快します。それまで、ひどい場合は一時的にステロイド薬の外用を併用することもあります。
- 診療科目
- 一般皮膚科・小児皮膚科・アレルギー科
- 住所
- 埼玉県ふじみ野市上福岡6-4-5
メディカルセンター上福岡 - アクセス
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電車東武東上線 上福岡駅 徒歩3分
車川越街道「上福岡駅西口入口」交差点を駅方向へ500m 駐車場56台完備 - 電話番号
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休診日:水曜日・日曜・祝日
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※美容施術の相談(カウンセリング)希望の方は終了時刻の1時間前までに来院してください。